marukunの日記

365日ちょこっと成長

映画「羊の木」月末さん

 

hitsujinoki-movie.com

 羊の木、月末さん、市役所勤務独身。

寂しい地方都市では

公務員はそこそこのエリートだろう。

 

原作マンガと違って、容姿端麗、年も若い。

映画化にあたって主人公を変えたのは

正解以外の何物でもない。

 

しかも錦戸亮なのだ。

彼の静かなたたずまい、物腰、しゃべり方。

彼の生まれ持っているスキル以上の何かが

 

月末にまとわりついて、それがあまりにも自然。

そこに錦戸亮はいなくて

ただ、市役所の月末がいるのだ。

 

平和すぎる日常の中で突然異変が起きる。

しかも傍観者ではなく、彼が担当するのだ、

なんと国家がらみの陰謀を。

 

殺人犯6人を、寂しい静かな港町に

受け入れる事の異常さ。

そしてその6人の異常さ。

 

様々な理由や事情を抱えて人を殺した

そんな6人を受け入れる窓口が

何も聞かされていなかった月末である。

 

受け入れる6人を直にお迎えし

食事を共にするうちに、いや最初から

彼は何かがおかしいと気が付く。

 

皆「普通」では無い。

皆どこか異常なのだ。

 

そんな彼らが、問題を起こさないわけもなく

月末自身も問題に巻き込まれながら

物語の異常な世界へ突入していく。

 

彼の平々凡々な人生の中、趣味と言っても

どこかで披露するあてもないバンド。

 

そこに加わった、好きな女性。

更に加わった、「友達」になった殺人犯。

 

段々と追い詰められていく

月島の困惑した顔があまりにも美しくて、

異常な世界との対比というよりは

 

月末自身がこの異常な世界の

住人なんだと納得する。

 

「友達」になった人物に付きまとわれながら

その人物に好きな女性を奪われる。

 

そんな事実も淡々と受け入れている彼は

「羊の木」につながれている羊のように

何処へも行けず、食われるのを待っているようだ。

 

しかし彼は神さまに選ばれた。

邪神は、邪神のしもべを

欲していたのかもしれないし

 

最後に神としての正義を

示したかったのかもしれない。

 

f:id:yokomarukun:20180204195303p:plain

時期が来ると実をつけ、採取して割れば中から肉と血と骨をつ子羊が収穫できるが、この羊は生きていない。実が熟して割れるまで放置しておくと、「ぅめー」と鳴く生きた羊が顔を出し、茎と繋がったまま、木の周りの草を食べて生き、近くに畑があれば食い散らかしてしまう。周囲の草がなくなると、やがて飢えて、羊は木とともに死ぬ。ある時期のバロメッツの周りには、この死んだ羊が集中して山積みになるので、それを求めて狼や人があつまって来るのだと言う。

バロメッツ - Wikipedia